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現代 Now

準備中。

はゆたちにまつわる物語。

つまらない。
何をしてもつまらない。

杏は「もっと大人になればもっと楽しい」と言っていたが、結局高校生になっても何も変わらないではないかと机に突っ伏し嘆く花村はゆ。
五十音順で前の座席だった野々宮詠は、そんな彼女に「バンドでもやってみたら?」と提案してしまう。さして会話をするわけでもない、同じグループというわけでもない、ましてや誰かに声をかけるなんて、それまであり得なかったのに——。

三度ほど唸った後、彼女は立ち上がり詠の手を取って教室を飛び出した。
「やるか。バンド!」
「えっ? な、なんで、ワタシまで~!?」
「隗より始めよって言うじゃん。詠がリーダーね!」
「えぇぇぇぇぇぇっ!?」

そして、その日のうちにバンド【うさぎタウンBand(仮)】が誕生する。

(仮)という免罪符を提案したのは他でもない、はゆだった。
詠はそれがなんとなく気がかりだった。
未完成、これから、未来、予定、思慮、リハーサル、不安材料、不確定。
解釈の仕方は色々あるのだろうけど、それはまるで——。

まるで——。