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再三再四

Chapter4

 わたしが休日に家の外に出る理由は、「デート」が多かった。
 帰宅するのは、七時頃だったり十一時を過ぎたり、その時の気分で大きく変動する。
 そんな風に気分屋のわたしにしてみれば、今日のデートは何を着て行こうだなんて、3回も恋愛を経験すれば迷わなくなった。だいたい、白っぽくてフリフリのを着て行けば、「可愛い。似合ってるよ」と言ってくれる。
 だからなのかなんなのか、自然と部屋のクローゼットの中身もそれに偏った。
 今日もそれを着て行けばいいかなとは思ったけど、「デート」じゃないんだ今日は。
 だけど、適当な服を着て行ったら変なイメージを持たれてしまいそうだから、手は抜けない。
 あれじゃないこれじゃないを繰り返してようやく、決めた。
 白のカーディガンに、紺色のコート。スカートはプリーツの入ってないやつで、下はタイツを履いた。あーよくいる、こんな人。みたいなスタイル。まぁ、いいんだ、それで。別に今日は、誰かにリア充を見せびらかせるわけでもないし。街に溶け込んでも、別に。きっと君は、そっちの方が気楽だろうし。
 君は何着てくるんだろう。
 なんか、「服とか買わないんですよ」とか言って、制服で来そう。
 十分有り得る。
 そしたら、わたしばっかり燥いでるみたいじゃんか。実際、そうなのかもしれないけど。
 こんなに悩むの、いつ以来だろう。
 久しぶりだ。最初のデートの時以来かな。
 なにそれ。やっぱ今日のも軽く「デート」みたいじゃん。
 結局、君にどう思って欲しいんだろう、わたしは。
 わかんないけど、でも、「可愛いですね」って、あのつんとした声で微笑んでくれたら、それは嬉しいよね。
 嬉しい、よな。
 いや、すごい嬉しいぞ、それは。
 彼氏に言われるより、全然価値がある。
 なんなんだ、君は。すごいぞ。一体何者なんだ。
 なんなんだ、わたしは。
 一体、どういうことなんだ。
 早く服を決めるんだ。

 
     ***

「ごめん。待ったよね」
「いえ。今、着いたんです」


 チェックのワイシャツに鼠色ブラウス。
 下は制服スカート。首には赤ギンガムのマフラー。

 そう来たか。
 うん、可愛い。
 ……好き。

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